Garmin睡眠スコアと睡眠の洞察
健康なライフスタイルは良い睡眠が基本です。良く眠ることで、精神面と身体の両方を向上させることができます。睡眠は免疫システムにとっても大切であり、病気にかかりにくくしたり、病気のあとの回復も早くします。睡眠のもたらす私たちの健康におけるメリットは計り知れません。
現在、成人の3人に1人が日常的に十分な睡眠がとれていないと言われています。1 睡眠不足の傾向はさらに悪化すると懸念されています。アメリカで実施された2015年の研究では、毎日の睡眠が6時間以下だと自己申告した人の数は、1985年の3860万人から2012年には7010万人へと、約二倍に増加したと報告されました。2
睡眠はとても重要であり、睡眠サイクルをキープすることが容易ではないことを考えると、確かなことが1つあります。それは、自分自身の睡眠についてさらに深く理解することが重要であるということです。睡眠のモニタリングをすることは、自分自身に責任を持ち続けることを助けます。そうすることで睡眠不足が習慣になる前に、改善の機会を見つけることができます。
睡眠スコアでより良い睡眠トラッキングを
睡眠スコアとそれに関連した洞察は、高度な睡眠トラッキング機能を備えた、互換性を持つGarminウォッチへの新しいライフスタイル指向の追加です。(対応製品: Venu® 2 シリーズ、fēnix® 6 およびfēnix® 6 ソーラーシリーズ、 Descent™ Mk2シリーズ、Enduro™、ForeAthlete® 745、 ForeAthlete® 945シリーズおよびMARQ®シリーズ)
睡眠トラッキング機能は、入眠時、起床時、そして睡眠中の各睡眠ステージを計測します。睡眠ステージは、浅い睡眠、深い睡眠、そしてレム睡眠です。
睡眠および睡眠のステージは、心拍数、心拍変動、呼吸数、体の動き、その他の情報の組み合わせで識別されます。サポートされているデバイスの使用で、GarminConnect™アプリの睡眠チャートに体の動き、呼吸数、血中酸素トラッキングのデータも合わせ、夜の睡眠中の全体像を把握できます。
睡眠スコアとは、基礎となるデータを要約してどのように睡眠を評価する数値(0-100)です。睡眠スコア高いということは、良い睡眠がとれまた新たな1日をスタートする準備ができたことを表します。また、あなたのスコアに対し、何がその結果の要因となったか、何が影響したかなど簡単な洞察を得ることもできます。
Garminの睡眠スコアはどのように計算されるのでしょうか?
睡眠は複雑で、さまざまな側面を持つ現象です。睡眠に関する謎は完全に科学的に解明されたわけではありませんが、私たちが知っていることはたくさんあります。たとえば、良質な睡眠を定義することは一つではなく、色々な観点から同時に睡眠を考えることも大切です。
夜間の睡眠スコアは、睡眠時間、睡眠の具合、心拍変動のデータから取得した自律神経系で発生する回復活動の証拠の組み合わせに基づき計算されます。
睡眠の量や質は、記録された睡眠データを睡眠の専門家が合意した年齢ごとの基準と比較することで評価されます。
より多く睡眠をとることで、質の低い睡眠を補うことができます。その反対もあります。もしあなたが優れた回復力と毎日の睡眠サイクルをもつスーパースリーパーだとすると、おそらく少ない時間の睡眠でも問題ありません。一方で、もし頻繁に睡眠が妨害されたり、回復不良の兆候が見られるのであれば、同様の効果を得るために9時間以上の睡眠が必要な場合があります。
睡眠の長さ
National Sleep Foundation(米国)のような団体の専門家によると、健康な成人は毎晩7時間から9時間の睡眠を取ることを推奨しています。実際に、長時間の睡眠が必要になる人もいれば、少ない睡眠で良い人もいます。そして、毎晩の睡眠の必要性は、どれだけ必要としているかと年齢によって異なります。34
しかし、良質の睡眠でも、睡眠不足を補うことができないボーダーラインがあります。ある研究によると、毎晩7時間以下の睡眠を続けると、さまざまな健康状態の悪化につながる可能性があることが指摘されています。3 体重増加、肥満、高血圧、心臓病、脳卒中はすべて、毎晩7時間以下の睡眠をとり続けることで起こるリスクです。56必要な睡眠がとれていないと、精神的にもミスを増加させたり、家庭や職場での事故やトレーニングや運動中のケガを引き起こす原因になります。
睡眠の質
睡眠の質はあなたが起きた時にすっきりとするかどうかを左右します。全体的に色々な要素が、睡眠の質がどのように睡眠スコアに影響するかを決定します。これには、夜中に何回起きるか、いつ覚醒が起こっているか、そしてベッドに入ってから起きるまでの時間を含みます。7ご想像の通り、継続性が睡眠のクオリティに関連する重要な要素です。睡眠が中断(妨害)されると、良い睡眠を意味する回復プロセスをサポートする睡眠サイクルを作るのを邪魔されてしまいます。睡眠サイクルとは、毎晩数回繰り返すことが理想とされる睡眠ステージ(浅い、深い、レム)のことです。
それぞれの睡眠ステージは、特定の回復効果の程度に関連しています。例えば、レム睡眠は認知機能や記憶をサポートすると考えられています。深い睡眠はエネルギー回復、細胞修復と再生、健康な免疫システムの維持に関連しています。睡眠スコアの一部には、夜寝ている間の各睡眠ステージの時間も考慮されています。
睡眠中に起きていない場合や起きたことを覚えていない場合でも、過度に寝返りを打っていると、睡眠の質が下がる場合があります。
一晩での回復
睡眠スコアに影響する3つ目の主な要因は、個人の回復指標です。この要素は、Garminウォッチの終日のストレストラッキングとBodyBattery™が機能するのと同じサイエンスをベースに設計されています。これは、ある時点から次の時点への心拍の変化を分析し、自律神経系(ANS)で起きているストレスや回復状態を明らかにすることを意味します。
ANSの交感神経(闘争と逃走)と比較した、副交感神経(休息と消化)の活動の程度は、体に起きる回復状態の有無と強度を明らかにします。
その結果から、回復力の観点からあなたの睡眠に関する洞察を得ることができます。夕方遅い時間に行う激しい活動やアルコールの摂取は、一般的に一晩に可能な回復の量を減らします。また免疫系器官が何かの感染と戦っている時も、一晩の回復レベルは通常低下します。
より良い睡眠のための洞察
私たちの睡眠への個人的な関心は、より良い睡眠をとりたいという思いから来ています。不眠症に苦しんでいない限りは、睡眠時間を増やすことは、主に時間管理と優先順位付けの問題となります。睡眠を簡単にトラッキングして、継続的に傾向を確認できる機能は、多くの人にとって睡眠の優先順位を上げる必要性を認識する際、大きな変化をもたらすきっかけとなります。
一方で睡眠の質を改善することは、ライフスタイルや一日の活動のチョイスにより左右されます。日中にとる行動が夜の睡眠にどのように影響するかを知ることによって、より良い、そしてより多くの情報に基づいた決定とライフスタイルの選択ができるようになります。
互換性を持つウォッチは、睡眠をより深く理解し、日中のパフォーマンスにどのように影響があるかを認識するのに役立つ、パーソナライズされた洞察を提供することが可能です。また、昼と夜の間に記録されたストレス、回復、身体活動のおけるパターンに関連した実際のデータに基づき、より深く眠るためのヒントも表示されます。
【References】
[1] Y. Liu, A. Wheaton, D. Chapman, T. Cunningham, H. Lu and J. Croft, “Prevalence of Healthy Sleep Duration among Adults — United States, 2014,” MMWR Morb Mortal Wkly Rep, vol. 65, p. 137–141, 2016.
[2] E. Ford, T. Cunningham and J. Croft, “Trends in Self-Reported Sleep Duration among US Adults from 1985 to 2012,” Sleep, vol. 38, no. (5), pp. 829-832, 2015.
[3] National Sleep Foundation, “National Sleep Foundation’s updated sleep duration recommendations: final report,” Sleep Health, vol. Epub 2015 Oct 31, pp. 233-243, 2015.
[4] N. F. Watson, M. S. Badr, G. Belenky, D. L. Bliwise, O. M. Buxton, D. Buysse, D. F. Dinges, J. Gangwisch, M. A. Grandner, C. Kushida, R. K. Malhotra, J. L. Martin and S. Patel, “Joint consensus statement of the American Academy of Sleep Medicine and Sleep Research Society on the recommended amount of sleep for a healthy adult: methodology and discussion,” Sleep, vol. 38, no. 8, pp. 1161-1183, 2015.
[5] M. A. Grandner, S. Chakravorty, M. L. Perlis, L. Oliver and I. Gurubhagavatula, “Habitual sleep duration associated with self-reported and objectively determined cardiometabolic risk factors,” Sleep Medicine, vol. 15, no. 1, pp. 42-50, 2014.
[6] Y. Liu, A. G. Wheaton, D. P. Chapman ja J. B. Croft, ”Sleep duration and chronic diseases among US adults age 45 years and older: evidence from the 2010 Behavioral Risk Factor Surveillance System,” Sleep, osa/vuosik. 36, nro 10, pp. 1421-1427, 2013.
[7] National Sleep Foundation, “National Sleep Foundation’s sleep quality recommendations: first report,” Sleep Health, vol. 3, no. 1, pp. 6-19, 2016.